とったべつだけ 1959m

ぽろしりだけ 2052m
北戸蔦別岳→稜線分岐→戸蔦別岳山頂→幌尻の肩→幌尻岳山頂→命の水→幌尻山荘→取水ダム→登山口

素晴らしい展望のなか、幌尻岳に縦走する。ため息がでるほどの壮大な日高の展望、何もいうことはない。でも、水がない。命の水は本当に私にとって命の水になった。
幌尻岳

BACK 1967m峰


2006年7月27日

テントをたたんで、いいよ幌尻岳に向かって縦走を開始する。

もういちど1967峰への縦走路を振り返る。長い稜線の向こうに見える1967峰、名残りを惜しんでしまう。
這い松の中を下って、それから岩のゴロゴロする道を登り、1881ピークの分岐に戻る。昨日歩いたときはまったく霧の中でなに見えなかったのだが、今日は快晴ですばらしい眺めだ。
ここから戸蔦別岳を目指すのだ。行く手の戸蔦別岳は鋭い三角の峰で、いかにも急な登りだ。
稜線の道を歩いて行くと戸蔦別岳の右には幌尻岳が大きいく、北カールがきれいだ。
こんな展望を独り占めして歩いている私は本当にシアワセ。
戸蔦別岳の登りは予想以上にきつかった。野営一式を背負っているのでザックはめちゃくちゃに重たい。今朝の1967峰への縦走のようなルンルン気分とはいかない。
一つコブを越えて、それから山頂に向かっての急登である。救いは幌尻岳のすばらしい展望だ。
戸蔦別岳山頂到着は11時半である。山頂には3人の登山者が休憩していた。この人たちには三度会っている。登山口の駐車場で私のすぐ前を歩いていた。そして取水ダムで話をかわした。そして、幌尻山荘では渓流釣をしているのにあった。彼らは今朝4時に幌尻山荘を出発してここまで縦走してきたのだそうだ。私が水が残り少なくなって今日の泊まりをどうしようかと思っているといったら、ペットボトルに半分残った水を恵んでくれた。
この水は幌尻岳に登る途中にある「命の水」で汲んだのだそうで、そこにはテントを張れるスペースがあったという。その話を聞いて、今日はそこまで行くことにした。
戸蔦別岳の山頂からは七つ沼カールが見える。池が点在するすばらしいところだ。テント場もあって、ここなら水を得ることができるのだが、熊が出没する。怖くてとても野営はできない。
目の前に聳える幌尻岳はいかにも大きい。さすがに日高の最高峰で堂々とした風格である。
でも、北戸蔦別岳から幌尻岳に向かう道はすさまじい。山頂から急降下して、それから幌尻岳の肩に向かってすごい急な道を登るのだ。
眺めていてもため息が出るばかりなので出発。砂礫の急斜面をジグザグに急降下する。下りが緩やかになると、岩峰が突き出る痩せた稜線歩きになった。這い松の混じる岩の道でアップダウンを繰り返す。左下には七つ沼カールをきれいに見ることができる。
ようやく最低コルに着いて、ここからは幌尻岳の1950mの肩に向かっての急登である。この登りもきつい。ガイドブックには水平距離500m200mの標高差をかせぐすさまじい登りとかいてある。その通りのすごさであった。
肩に登りついて、ようやく道は平坦になる。振り返ると戸蔦別岳岳が端正な三角峰となって聳えている。そしてそれに続く稜線には岩峰が連なっているのが見えた。こうして遠くからみると、そんな大変な道には見えないのが不思議だ。
低い這い松の中に登山道が続いている。ここから山頂までは快適な稜線歩きと思っていたのだが、そうでもなかった。
二つほどピークを越えるのだ。岩の中の険しい道を登ったりで、私にはつらかった。荷物の重さもあるのだが、今朝5時から歩いているので、もう9時間以上行動している。疲れがたまってきているのだ。
ようやく山頂に着いたのは2時半である。
天気もよくてすばらしい展望。1967峰方向の私の歩いてきた長い稜線。ここまで来たぞという満足感でいっぱいだ。
そして南の方向にはカムイエクウツカウシ岳などの山々が展望できるのだ。すごい。
でも、山頂には私一人である。もう時間としては遅いのだ。この山頂から幌尻山荘までは3時間かかるのだから、今頃山頂でウロウロしてる登山者がいるはずがない。
さて、私も急いで下らなければいけない。命の水にテントを張るとしても、そこまでは1時間40分かかるのだ。
山頂から長い尾根道を下る。右手に広がる北カールを抱き込むように尾根は続いている。カールをほぼ半周してしまうのだ。急な道を下って行く。カールをめぐるこの尾根の道はお花畑の中の道でもある。花がきれいだ。
振り返ると、幌尻岳山頂には雲がかかってきていた。
尾根の最後は岩場のピークで、ここから左折して樹林の中の急降下が始まる。これはすごくきつい下りである。樹木につかまったりして急な道を下って行く。これは長く感じた。
行けど行けど、命の水にはつかない。持っていた水も飲み尽くしてしまった。はやく水を飲みたい一心で先を急ぐ。
命の水に着いたのは16時半であった。登山道から少し右に下る。ここで水をいっぱい飲んだ。ようやく渇きがおさまったところでテント場を確認した。ところが、狭いうえに擂鉢上に窪んでいて、とてもテントは張れそうもない。
仕方がないので幌尻山荘まで下ることにした。まだ4時半である。6時までには山荘に着くことができるはずで、まだ明るいはずだ。
樹林の中をひたすら下って、山荘に着いたのは18時少し前であった。ほっとした。
山荘では戸蔦別岳山頂で会った三人に会った。ここまで降りてきてしまったことに驚いていた。考えてみたら、今日の行動時間は11時間だ。疲れるはずだ。でも、明日は4時間ほど歩けば車に戻れる。休養できるというものである。
山荘でキャンプの手続きをしたら、驚いたことに1000円であった。小屋に泊まるのと同じ料金なのだ。なんかおかしくないかと思ってしまった。


728

今日は下るだけなので気はらくだ。のんびりと出発しようと思っていたが、けっきょく6時出発。でも、私がテントをたたみ終えたとき、他の登山者は誰もいなかった。みんな早いのだ。
すぐに沢靴に履き替えて、渡渉を繰り返して取水口を目指す。
取水口到着は8時少し前、車に戻ったのは9時半である。
自分が最も困難になるだろうと思っていた3日間の登山は終わった。北戸蔦別岳の山頂にテントを張って、そして快晴の朝のすばらしい展望。楽しい忘れられない登山であった。


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北戸蔦別岳を振り返る


稜線分岐


戸蔦別岳への登り


戸蔦別岳山頂


戸蔦別岳からの下山路


幌尻岳の肩に着く


幌尻岳山頂直下


幌尻岳山頂


幌尻岳からの下山路


急下降が続く


命の水


幌尻山荘


取水ダムに戻った





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