BACK 層雲峡から黒岳へ
2007年7月6日
黒岳まではきつい登りだったのだが、この先は緩やかな下りがあるだけである。
白い杭にロープが張られた広い道を緩やかに下って黒岳石室を目指す。道の両側は広大なお花畑である。歩いて行くにつれて雲がとれてきて、大雪の山々がすっかりと姿を現し、左手には特徴的な三角峰の烏帽子岳も見える。雨は止んだ。
キバナシャクヤクナゲやエゾコザクラが咲き誇る中を通って、黒岳石室に着いたのは12時20分である。小屋の前のベンチで少し休憩。ここで雨具は脱いだ。
さて、私はここから桂月岳を往復するつもりである。桂月岳には登ったことがないのだ。
小屋から桂月岳までは登り15分なので、ザックを置いて往復することにする。
岩がゴロゴロする歩きにくい道が続くのだが、途中の砂礫にはコマクサが咲いていた。私は高山植物の名前をほとんど知らないのだが、私が知っている数少ないうちの一つが高山植物の女王と呼ばれるコマクサである。
山頂には巨岩があって、そこからは間近に聳える黒岳の眺めがすばらしかった。また凌雲岳とその向こうに岩峰を連ねる川上岳の眺めもすごい。足元には白い花が咲き誇っていて、そんなに高い山ではないのだが、しみじみ、いい山だと思ってしまう。
小屋の前に戻ったのは12時50分であった。
ここからは北鎮岳を経由して旭岳を目指す。旭岳は昨年登ったばかりなのでパスしようかとも思ったのだが、せっかく大雪山〜十勝連峰の完全縦走をしようというのに最高峰を踏まないというのは画竜点睛を欠くというものである。北鎮岳には柵に囲まれた広い平坦な道が続く。柵の向こうにはキバナシャクナゲや赤いエゾツガサクラの大群落が広がっている。大雪山のお花畑は本州のものとは比較できないほどの規模の大きさで、つい、写真撮影に何度も立ち止まってしまうのだ。
雪渓を緩やかに登って高台に着くと、そこがお鉢平展望台だった。お鉢平は昔の火口で、この周りを北鎮岳、間宮岳、北海岳などが取り囲んでいるのだ。お鉢平は火山らしく白い平坦地が広がっている。火口壁には雪がたくさん残っていて白の斑模様をつくり、すばらしい眺めである。
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