BACK 御鉢平北回り
2007年7月7日
一晩中風が強かった。テント場には石垣のように高く石が積み上げられていたので、強風を予想してテントの張り綱をしっかりしておいたのだが、そのかいがあった。
朝4時に目覚める。テントから外を覗くと旭岳には厚い雲がかかっていて、雪渓の上につけられたルートがわかりにくい。どうしようかと悩んでいたら、二人の登山者が登って行くのが見えた。これに勇気づけられて私も登山を開始。
テントの中で荷物のほとんどをパッキングして、あとはテントをたたむだけにしてから出発した。空身で旭岳を目指すのだが、ペットボトルに入れた水だけは持った。風が強いので雨具の上着を着て出発。5時少し前であった。
雪渓に入る前に軽アイゼンを装着したのだが、これでずいぶん登りやすかった。
長い雪渓である。最初は踏み跡を辿っていたが、すぐに自分で歩きやすいルートを探して登るようにした。厚くかかっていた雲も晴れてきて、雪渓の終点が見えてきた。その向こうの土の斜面に踏み跡を見てるので、そこをめざして登って行く。登りがきつくなる。15分ほどの登りで雪渓を登り終えると、そこからは火山灰の急な登りである。岩がゴロゴロするようになると道にはロープが張られるようになって、傾斜が緩やかになった。キバナシャクヤクの群落が見られるようになって、山頂に着く頃にはすっかり雲は取れて、青空が広がった。山頂到着は5時18分である。
山頂には二人連れの登山者がいて、私がテントから登って行くのをみた人達である。奈良から来たのだそうで、今日帰るのだという。
山頂からはすばらしい展望が広がっている。西を見下ろすと姿見平が見え、池が散らばり噴煙が上がっている。さらに南の方向遥かかなたにはトムラウシが見えた。トムラウシに続く長い長い稜線を眺めて、あそこまで行くんだと気持ちを新たにした。
風が強いのですぐに下山。雪渓の下りは急だった。でも軽アイゼンがよくきいて、ラクに下って行くことができた。下りでは私のテントがよく見えるので、一直線にテントを目指して下った。テントに近づいてゆくと、隣にテントを張っていた夫婦連れの二人が出発してゆくところだった。(彼らは昨日の夕方、旭岳に登ったのだ。)テントに戻ったのは5時45分である。
振り返ると旭岳は真っ青な空を背景に大きく聳えていた。
6時15分、テント場を出発。熊ヶ岳に向かって登って行く。朝日を浴びて白い花が輝くように咲いていた。
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