ひらやま

標高 1771m
平山の登山路にはすごい雪渓が待ち構えていた。
第一雪渓、第二雪渓とすさまじい傾斜の雪渓であった。軽アイゼンなんて本当に気休めにしかならないと悟った。
平山山頂

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2005年7月3日

さて、今日はこれから「平山」に登る。武利岳の隣の山である。でも、丸瀬布町に戻って、大きく迂回しなければいけない。

心配なことがある。昨日からガソリンに赤ランプがついている。街までは30km以上ある。スタンドまでもつか心配になってしまう。
あまりアクセルを踏まないように、ゆっくりとした運転でなんとか丸瀬布のスタンドにたどり着いた。給油したガソリン量をみたら、ほとんど空になっていたことがわかった。よかった、これからはもっと余裕をもって給油にしようと思った。

丸瀬布から白滝村まで走って、ここから左の細い道に入る。
平山の登山口に着いたのは12時である。
ここの駐車場には大型のバスが停まっていた。駐車場からは平山の雪をいただいた稜線が見えた。なんか簡単に登れそうである。ガイドブックをみても、往復3時間半なのだ。
歩き始めたのは1210分。駐車場の奥から登山道が始まっていて、入り口には登山届けのポストがある。
樹林の中を緩やかに登って行く。沢の流れに沿って登って行くのだが、この流れが支湧別川である。この川にはいくつもの沢が流れこんできていて、登山道はこうした枝沢を渡渉しなければいけない。道は流れの縁に沿って行くので、けっこう歩きにくい。登りも急になってきて、谷を見下ろすと、残雪が谷底をびっしりと埋めている。
行く手に川の流れが滝を作っているのが見えてきた。これが「行雲の滝」かと思ったら、それは「冷涼の滝」であった。いつのまにか行雲の滝は通りすぎていたのだ。
この滝を過ぎると、行く手には稜線から深い谷を刻んだ支湧別川の谷筋が見える。この谷は完全に雪に埋まっていた。そして、登山道は一気に雪に覆われてしまった。
行く手には、すさまじい傾斜の雪の斜面が待っていた。白馬の大雪渓とかわらない。この雪渓を登って行く。傾斜は本当にきつくて、登りなのに足を滑らせそうである。下りは軽アイゼンをつけるしかなさそうである。ガイドブックによると、これが第一雪渓である。この急な雪渓を下ってくる団体があった。これがあのバスできた人たちらしい。この団体とすれ違ったら、あとは登山者とはほとんど会わなくなった。
ようやくこの雪渓を過ぎる頃、雲が湧き出して深い霧に包まれてしまった。
踏み跡がはっきりしているから道を迷う心配はないのだが、心細い。時間は1時半になっている。登山者もみかけない。
第一雪渓を過ぎて普通の登山道になった。石がゴロゴロする溝状の登山道を登る。このまま稜線に着けると思ったのは甘かった。
霧の中に広大な雪の斜面が現れた。これが第二雪渓である。
こっちの雪渓は深い霧の中で登ることになって、しかも踏み跡がよくわからない。少し焦りを感じてしまう。
雪の斜面からようやく抜け出す。稜線に向かって急登して、岩が積み上げられたケルンの前に着いた。ケルンの向こうには堂々と聳える山が見える。これが「ニセイカウシュッペ山」である。雲がとれて、この立派な山容を展望できたのはラッキーであった。
このケルンのところが平山と比麻良山の分岐である。右に稜線をたどると比麻良山で、左に行くと平山の山頂である。稜線のかなたの比麻良山の山頂付近は雲に隠れていた。
まず、平山を目指す。広い尾根を行く。右手のニセイカウシュッペにどうしても目が行く。いい山である。一度登っているのだが、もう一度登りたくなった。
山頂は這い松の中に小さな裸地がつくられていて、そこに山頂標識が立っていた。1415分であった。平山山頂は山のピークという感じではなくて、広い這い松の尾根の平原の中にポツンと山頂標識がおかれているというものである。
雲が厚くなって、風が強くなってきた。もちろん、山頂にいるのは私一人である。
2時半に下山を開始。広い稜線を下って行くと、雨がポツポツと降り出した。
他に登山者はまったく見かけることはできず、ひどく心細くなってきた。
霧の中、雪渓を下り始める。軽アイゼンをつけた。すごく急な斜面である。第二雪渓では道がよくわからなくて、迷いそうになった。
第一雪渓にさしかかる頃、霧が晴れてくれた。それはよかったのだが、今度は下りの雪渓の急斜面がすごい高度感である。足を滑らせたら、まっ逆さまという感じである。この急峻さは二百名山の毛勝山雪渓を思い出してしまった。
この下りで思ったのは、軽アイゼンというのは本当に気休めにしかならないシロモノだということである。来年、北海道登山に来るときは、ちゃんとしたアイゼンを持ってこようと心に決めた。
ようやく、雪渓をすぎて土の登山道に足をつけたときは、本当にほっとした。助かったと思った。
第一雪渓を過ぎるとすぐに冷涼の滝で、沢に沿って下って行くと左から沢が流れ込んでくる。この流れを渡渉するのだが、この流れの奥に大きな滝があった。行雲の滝である。登ってくるときは、渡渉に気をとられて滝に気がつかなかったのだ。
登山口の車に着く頃に雨が強くなって、車の中に入ったらドシャ降りになった。
雨にあわなくてよかった。


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登山口駐車場


沢に仮橋がかかっていた


橋がなくても渡らなければいけない


第一雪渓


いったん、樹林に入る


第二雪渓


平山と比麻良山の分岐(稜線)


平山への登り


山頂から登山路を振り返る


山頂でみたコマクサ





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