とかちだけ 2077m

びえいだけ 2052m
5月の下旬に出かけたのだが、十勝岳はまだ雪山だった。残雪のすばらしい眺めと激しく噴煙を上げる火口。これが北海道の山だと実感した。
十勝岳。右奥は富良野岳

1991年5月26日

7:00望岳台→7:40十勝岳避難小屋手前分岐→ポンピ沢→美瑛岳・美瑛富士のコル→11:00美瑛富士→12:40美瑛岳→14:55十勝岳→十勝避難小屋→4:45望岳台

 十勝岳に登ったのは、526日であった。
4月に釧路に転勤してきて、最初に登ったのが阿寒岳で、次がこの十勝岳であった。
阿寒岳に雪はなかったので、十勝岳にも雪のための準備はなしに出かけた。しかし、それはとんでもない間違いであった。
十勝岳の登山口の「望岳台」に着いて、十勝連峰を眺めてみると、鮮やかな残雪の景色である。すばらしい大パノラマである。
しかし、これから登ることを考えると、きれいだなどと悠長なことは言っておれない。残雪期の山をアイゼン、ピッケルなしで登るというのは、ほとんど無謀に近い。
といっても、ないものはないので、だめだったら引き返すつもりで登り始めた。
火山岩の点在する砂礫の中を行く。
しばらく登ると、道は雪に覆われるようになり、雪の斜面を歩くようになった。
少しやばい。
まず目指しているのは「美瑛富士」である。
ポンピ沢は雪原になっていて、ここで道に迷ってしまった。
先行していた登山者が1人いたが、彼も道を探していた。
15分程うろうろして、背の低い潅木の間に踏み跡を見つけることができた。
ここからは、美瑛岳山腹の雪の道を行く。けっこう急な斜面をトラバースしていく。滑りやすい。
雪の斜面についた踏み跡をたどっていくと、美瑛富士と美瑛岳のコルにでる。まず、美瑛富士に登った。この登りはかなりの急斜面であったが、登山道が日の当るの方だったので雪はなかった。頂上からは十勝連山の山並みがすばらしかった。また、遥か向こうには、真っ白な雪におおわれた大雪山の山々が見えた。
次に美瑛岳に向かったのだが、この稜線歩きが一番危険であった。アップダウンがあって、日陰になっている個所も少なくない。日陰は氷結していて、そういうところほど道が険しいのだ。北海道の5月は冬山の装備が必要だということを思い知らされた。
美瑛岳山頂は稜線から少し西に外れている。そこに至る道は岩稜になっていて、ここも氷結していた。この道が今回の登山コースのなかで最も危険を感じたところであった。膝が震えた。
美瑛岳からは、十勝岳のきれいな三角形のピークを見ることができる。
天気もよくて、残雪に輝く山々を見ていると、北海道の山のすばらしさを感じる。
十勝岳直下は砂礫の平原が広がっていた。雪はない。
このあたりで霧が出てきた。
十勝岳山頂では再び晴れて、すぐ間近に噴煙を上げる火口を見ることができる。
恥ずかしい話だが、今回の登山をするまで、十勝岳が活火山だとはまったく知らなかった。
あとでいろいろ本を読んでみると、1988年の噴火のときは火砕流が発生して、大変な被害をこうむったりしているのだ。
山頂で、雄大な北海道中央部の山々の大パノラマを楽しんで下山した。
途中、火口のすぐ傍を通ることになるのだが、このときは少し怖かった。
雪で苦労したけれど、北海道の山を満喫できた山行であった。


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2007年夏の縦走登山記録

望岳台(登山口)


登山道を行く。行く手に安政火口


分岐。私はまず美瑛岳に登る


完全な雪道になった


コルから美瑛富士への登り


美瑛富士山頂


美瑛富士を振り返る

美瑛岳山頂

美瑛岳からの岩稜

広い砂原の向こうに十勝岳

縦走路から美瑛岳

十勝岳山頂

十勝岳山頂

山路。噴煙により危険表示があった

尾根を下る

登山口へ戻った





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